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異性装障害

異性装障害

Transvestic Disorder

 

疾患の具体例

35歳、男性。思春期の頃から、女装することで性的な興奮を覚えるようになりました。女性と結婚していますが、妻に隠れて女装することがあり、その罪悪感に苦しんでいます。

 

特徴

習慣的に異性の服装をしているとしても、すべてが「異性装障害」に該当するわけではありません。この障害は、異性の服装したり、そうすることを想像したりすることで、常に(またはしばしば)性的に興奮することが特徴です。自分のそうした状態について苦痛を感じたり、仕事や社会生活を営む上で大きな問題が起きたりしていることも診断要件になっています。例えば、異性装をすることをやめられないため、異性との交際や結婚ができないことに苦痛を感じる人がいます。この障害を持っていることによる孤独感、抑うつ、罪悪感を感じる人もいます。

 

異性装障害は、1つや2つだけ異性の衣服を身につける(例:下着のみ)ケースもあれば、上着から下着まで全て異性の衣服にするケースもあります。この障害のある人の多くは、異性装をした状態で自慰行為をします。パートナーのいる人は、異性の服装をしていなければ性交渉時に十分な興奮が得られず、困る場合があります。

 

異性装障害のある人の多くは、性別違和(性同一性障害)ではありません。自分の生物学上の性別に不一致を感じず、別の性別になりたいとも思わないのです。しかし、中には異性装障害と性別違和が併存する人や、あとから性別違和に発展する人がいます。

 

有病率

この障害のある人は、ほとんどが男性です。有病率はわかっていませんが、「女性の衣服を着て性的興奮を覚えたことがある」と答えた男性は3%未満という報告があります。繰り返しそうした性的興奮を覚えた人の割合はさらに低いものと思われます。また、異性装障害のある男性の多くは異性愛者ですが、時々、男性同士の性交渉を持ち、その際に異性装をする人もいます。

 

経 過

異性装障害は、症状が持続する人もいれば、限定的なエピソードで終わる人もいます。女性と交際することで異性装への興味が弱まることがありますが、それは一時的であること多いようです。異性装への欲求が再燃すると、それに伴う苦痛も再燃します。

 

診断基準:DSM-5

A. 少なくとも6カ月間にわたり、異性の服装をすることから得られる反復性の強烈な性的興奮が、空想、衝動、または行動に現れる。

B. その空想や性的衝動、または行動が、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

 

該当すれば特定せよ

フェティシズムを伴う: 布地、材料、衣類によって性的興奮を覚えるもの

自己女性化愛好症を伴う: 女性としての自分を考えたり心に描いたりして性的興奮を覚えるもの

 

該当すれば特定せよ

管理された環境下にある: この特定用語は、主にその人が異性の服装をする機会が制限されている施設またはその他の環境下で生活している場合に適用される。

完全寛解: 管理されていない環境下で少なくとも5年間、苦痛、または社会的、職業的、または他の領域における機能の障害を引き起こしていない。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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