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射精遅延

射精遅延

Delayed ejaculation

 

疾患の具体例

25歳、男性。結婚を考えているパートナーがいますが、性交によって射精に至ることができずに苦しんでいます。性交はしばしば中断し、相手から「このままでは結婚は難しい」と言われています。男性は、思春期からポルノサイトを毎日閲覧しており、自慰行為では射精が可能です。しかし、性交で射精できたことは一度もありません。

 

特 徴

射精遅延は、性行為による射精ができないか、著しく遅れることで大きな苦痛を感じる障害です。十分な性的刺激や、射精したい気持ちがあるのに射精が困難なため、疲労困憊したり、性器の不快感が生じたりします。そのために性行為を中断する人もいます。子どもを持ちたいカップルは、射精遅延によって心理的な苦痛も生じるかもしれません。

射精遅延は自慰行為で生じることはまれで、通常、パートナーとの性行為で現れます。一度もパートナーとの性行為で射精できた経験がない場合は「生来型射精遅延」、以前は正常に射精できていたのに途中からできなくなった場合は「獲得型射精遅延」と分類されます。 なお、射精にかかる時間は個人差が大きいため、「遅延」の定義に厳密な基準はありません。

 

有病率

有病率は不明ですが、男性の性的な問題の中ではもっとも少ないと考えられています。射精することに何らかの問題がある状態が6カ月以上続く男性は1%未満であることはわかっています。50歳前後までの有病率は一定で、50歳以降は有意に発症率が増加します。

 

経 過

生来型射精遅延は性的体験の早期から始まり、生涯にわたって持続します。獲得型射精遅延の経過に関してはほとんどわかっていません。

 

原 因

50歳を超える男性で射精遅延が増加することは、加齢によって抹消知覚神経が機能喪失すること、性ステロイド分泌が低下することが関係しているかもしれません。

10代の男性では、ポルノサイトを頻繁に利用することで、性行為で絶頂に至るために必要な神経シナプスが発達していない、という報告もあります。

 

診断基準:DSM-5

A. 以下の状況のいずれかが、パートナーとの性行為において(特定の状況、または全般型ではあらゆる状況での)、ほとんどいつも、または常に(約75〜100%)経験されてなければならない。かつ、本人が遅延を望んではいない。

  1. 射精の著明な遅延
  2. 射精がきわめてまれ、または欠如している。

 

B. 基準Aの症状は、少なくとも約6カ月間は持続している。

C.基準Aの症状は、その人に臨床的に意味のある苦痛を引き起こしている。

D.その性機能不全は、性関連以外の精神疾患、または重篤な対人関係上の苦痛、または他の意味のあるストレス因の影響ではうまく説明されないし、物質・医薬品または他の医学的疾患の作用によるものではない。

 

いずれかを特定せよ

生来型:その障害は、その人が性的活動を始めたときから存在していた。

獲得型:その障害は、比較的正常な性機能の期間の後に発症した。

 

いずれかを特定せよ

全般型:ある特定の刺激、状況、または相手に限られない。

状況型:ある特定の刺激、状況、または相手の場合にのみ起こる。

 

現在の重症度を特定せよ

軽度:基準Aの状況について軽度の苦痛の証拠がある。

中等度:基準Aの状況について中等度の苦痛の証拠がある。

重度:基準Aの状況について重度または極度の苦痛の証拠がある。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

『DSM-5 ケースファイル』(医学書院)

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