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こころの病気のはなし > 専門編 > 反芻性障害

反芻性障害

正常に摂食していた期間に引き続いて吐き戻しと噛み直しが繰り返されます。症状は少なくとも1ヶ月間続き,身体疾患に起因せず,臨床的に注意を向けることが適切といえるほど重症です。

 

診断

障害の本質的な特徴は,正常に摂食していた期間の後,少なくとも1ヶ月以上にわたって繰り返される吐き戻しにあります。

原因は,消化器疾患にはなく,また神経性無食欲症や神経性大食症に由来するものでもありません。嚥下された食物は口腔内に吐き戻されますが,吐き気,むかつき,不快感を伴いません。これに引き続いて,食物は吐き出されるか,噛み直されて再び嚥下されます。

 

疫学

  1. まれな疾患で,生後3〜12ヶ月のうちに発症します。
  2. 男性に多いことがあります。

 

原因

  1. 未熟で愛情に乏しい母親との関連があります。
  2. 自律神経系の機能不全が関係しているかもしれません。
  3. 胃食道逆流または裂孔ヘルニアと関連している可能性があります。
  4. 過剰な刺激や誇張の関与が示唆されています。

 

鑑別診断

幽門狭窄は噴水様嘔吐を伴い,生後3ヶ月よりも前に明らかになります。

 

経過と予後

自然寛解率が高いです。栄養失調,成長不良,さらに死にまで至ることがあります。

 

治療

両親への指導と,行動療法的技法があります。母子関係の評価から問題が明らかになることがあり,母親への指導が効果をあげることもあります。

患児の口にレモン汁を吹きかけるといった行動療法的な介入も,吐き戻し行動の軽減に効果があります。メトクロプラミド,シメチジン,抗精神病薬(ハロペリドール)に効果があったといいます。

 

診断基準

DSM-W-TR ICD-10
コード番号307.53
反芻性障害
(rumination disorder)
コード番号F98.2
乳幼児期および小児期の哺育障害
(Feeding disorder of infancy and childhood)
  1. 正常に機能していた期間の後, 少なくとも1ヶ月間にわたり,食物の 吐き戻しおよび噛み直しを繰り返す 。
  2. この行動は随伴する消化器系ま たは他の一般身体疾患(例:食道逆 流)によるものではない。
  3. この行動は神経性無食欲症,神 経性大食症の経過中にのみ起こる ものではない。症状が精神遅滞また は広汎性発達障害の経過中にのみ 起こる場合,その症状は,特別な臨 床的関与が妥当なほど重傷である 。  

通常乳児期と早期小児期に特異 的で,多様な症状の哺育障害,十 分に食物が与えられ,適切な養育 者があり,器質性疾患がないにもか かわらず,拒食と極端な偏食がある のが一般的である。反芻(吐き気あ るいは胃腸疾患がないにもかかわ らず,反復する吐き戻しを意味す る)を伴うこともある。

診断ガイドライン

軽度の摂食困難は幼児期や小児 期ではよくみられる(偏食,推定され る少食,あるいは過食の形で)。しか しかしそれだけで障害を示すものと 考えてはならない。明らかに正常範 囲を超えているか,あるいは摂食問 題が質的に異常な特徴をもつか, あるいは少なくとも1ヶ月以上体重 増加がないか体重減少があるなら ば,この診断をくだすべきである。

<含>反芻性障害

[鑑別診断] 以下のものから鑑別す ることが重要である。

  1. 子供が,いつも養育する者以外 の大人からは容易に食物を受け取 る状態。
  2. 拒食拒否を十分説明できる器質 的障害。
  3. 神経性無食欲症およびその他の 摂食障害 (F50.-)。
  4. より広範囲な精神科的障害。
  5. 異食症(F98.3)。
  6. 哺育困難と養育過誤(R63.3)。

【参考・引用文献】

・カプラン精神医学ハンドブック 融道男他訳 2010 メディカルサイエンスインターナショナル

・ ICD-10精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 融道男他監訳 2009 医学書院

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