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他の小児期崩壊性障害

F84.3 他の小児期崩壊性障害

Other childhood disintegrative disorder

 

疾患の具体例

4歳、男児。赤ちゃんの頃の発達は順調に進んでいるように見えました。2歳にはおむつもはずれ、「ママ、すき」「ワンワン、かわいい」など二語文を話せるようになっていました。しかし、2歳6カ月頃から突然、不安げに泣いてばかりの日が続いたのち、急激に言葉が言えなくなり、トイレも失敗するようになりました。親の呼びかけにも反応せず、おもちゃで遊ぶこともしなくなりました。しきりに何か同じ言葉を発していますが、周囲はなかなか理解できません。

特徴

小児期崩壊性障害は、以前にできていたことが、いくつもの領域でできなくなってしまう障害です。言えていた言葉が言えなくなったり、対人コミュニケーションがとれなくなったり、常道行動や強迫行為を繰り返すようになったりします。常に不安感を持つほか、排便や排尿のコントロールもできなくなります。多くの患者さんに、中等度〜重度の精神遅滞があります。

発症時期はほとんどが3〜4歳までです。数ヵ月間の前駆期があり、言うことをきかなくなり、いらいらし、不安気に泣いたりすることが続きます。その後、数日や数週間の活動低下を伴って、比較的急激に発症します。

自閉性障害と似ていますが、こちらは小児期崩壊性障害と違って最初から発達の遅れが目立ちます。小児期崩壊性障害は、発症するまでは通常通りに発達しているように見え、それがのちに損なわれます。

また、レット症候群も似ていますが、児期崩壊性障害より非常に早く症状が現れる点で異なります。小児期崩壊性障害は、レット症候群に特徴的な手の常同運動がありません。

 

有病率

この障害の有病率は、10万人の男児におよそ1人と推定されています。性差は、男児4〜8人に対し、女児1人です。

 

経過

経過はさまざまですが、ほとんどの場合、数ヵ月にわたって能力が後退したのち、進行が停止します。しかし、まれに進行性の患者さんもいます。一部の症例では、文章を話す能力を再び獲得するまで回復することもありますが、ほとんどの場合、少なくとも中等度の精神遅滞を伴います。

 

原因

詳しい原因はわかっていませんが、発作性障害や結節性硬化症などの神経学的状態や、さまざまな代謝性疾患と関連していると考えられています。

 

治療

小児崩壊性障害は自閉性障害と似ていることから、治療は自閉性障害の治療に準じます。

 

診断基準:ICD-10

この診断は、少なくとも2歳まで外見上は正常に発達したのち、それまでに獲得した技能が明らかに喪失したことに基づいてくだされる。この障害は質的な社会機能の異常を伴っている。重篤な言語の退行、あるいは言語喪失、遊び、社会的技能および適応行動のレベルの退行が通常みられ、時に運動統制の解体を伴う大小便のコントロールの喪失がしばしば起こる。 典型的には、周囲への全般的な関心喪失、常同的で反復性の奇妙な行動、および社会的相互関係とコミュニケーションに関する自閉症に似た障害が付随する。

ある点でこの症候群は成人期における認知症と似ているが、以下の3つの主な点でそれと異なる。(通常ある型の器質的脳機能障害が推定されるが)同定可能な器質的疾患や障害の証拠が認められないことがふつうである。技能の喪失の後、ある程度の回復のみられることがある。そして社会性およびコミュニケーションの障害は、知的低下というよりも、自閉症に典型的にみられる質的偏りである。これらの理由すべてから、この症候群はF00-F09ではなく、ここに含められる。

〈含〉幼児性認知症

   崩壊性精神病

   ヘラー症候群

   共生精神病

〈除〉てんかんに伴う後天性失語(F80.3)

   選択的緘黙(F94.0)

   レット症候群(F84.2)

   統合失調症(F20,-)

 

診断基準:DSM-5

記載なし

 

※参考文献

『ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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