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心の病気の種類

ピック病

● 症状

「ピック病」は認知症の一つです。認知症にはさまざまな種類があり、ピック病は脳の前頭葉と側頭葉が萎縮することから「前頭側頭型認知症」に分類されています。この病気を最初に報告したアーノルド・ピックという医師の名前にちなんで、ピック病と名付けられました。

ピック病を巡っては、専門家の間で長い間議論が続けられ、何度も定義が変更されてきました。厳密には、脳の神経細胞内に「ピック球」と呼ばれる異常構造物がある場合のみピック病と診断しますが、専門家によっては意見が異なり、ピック球がなくてもピック病と診断することもあるようです。

 

ピック病は認知症ですが、初めのうちは物忘れなど認知機能の低下はあまり強く現れません。それよりも、人格や行動の変化が目立つことが特徴的です。例えば、穏やかな性格の人が怒りっぽくなったり、人の話を聞かずにしゃべり続けたり、逆に無視したり、自発的に行動することが減ったりするのです。万引きや痴漢、信号無視など社会のルールを破る、甘い物など特定の食べ物を食べすぎる、同じ言葉や行動を繰り返すようになる人もいます。

多くの場合、本人は病気という自覚がありません。周囲から見てもあまり認知症らしくない症状のため、単なる性格の変化と誤解されて医療機関へ行くのが遅れがちです。医療機関を受診しても統合失調症やうつ病などと誤診されることもあります。

 

ピック病は比較的若い年齢で発症することも特徴の一つです。典型的には75歳以前に発症し、男性に多く、特に第一度近親者にピック病がある人に起こりやすいことが分かっています。

 

なお、症状の進行はゆっくりで、年単位で進みます。

 

● 原因

神経細胞内にピック球がたまることが、ピック病の原因の一つだとされています。また、「TDP-43」というたんぱく質が神経細胞内にたまることも、原因ではないかと考えられています。しかし、なぜそれらがたまっていくかという根本的な原因は解明されていません。

 

● 他の病気との関係

ピック病は、認知症の代表格であるアルツハイマー病と異なり、初期には認知機能の低下があまり見られません。また、アルツハイマー病は脳の「海馬」を中心に脳全体が萎縮するのに対し、ピック病は前頭葉と側頭葉が萎縮します。

 

● 治療

ピック病を治したり、進行を抑えたりする薬はいまだ開発されていません。落ち着きのなさなどの症状に対しては、対症療法として抗精神病薬を使うことはあります。また、さまざまな行動障害(行動の異常)に対して、行動療法や家族への指導で改善が見られたと報告されています。

 

※参考文献

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

『認知症疾患治療ガイドライン2017』(医学書院)

『ピック病とその仲間たち』(新興医学出版社)

 

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